紅茶の香り付け(4)センテッドティー

 茶葉はゆっくりとではありますが、周囲の香りを吸い込みやすい性質があります。

センテッドティーもフレーバーティーもほぼ同じ意味ではありますが、センテッドティーは香りを直接茶葉に拭き付けるのではなく、香りがするもの(香料、香りのする煙、花など)と茶葉を同じ空間にしばらく放置し、茶葉に香りを吸い込ませたお茶と定義します。

 

 

サクララヴニールからのお願いとご容赦いただきたいことm(_ _)m

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移香茶

茶葉と芳香を交互に配置し、香りを移したものです。

 

超高級なジャスミンティーの作り方

3~4月に、その日の朝に摘んだばかりのジャスミンの花を使って製造されます。ジャスミンの香りは10時間程度しか保てないためですね。ジャスミンの花は完全開花する直前の、「虎の手」と呼ばれる状態のものを使用します(虎って、さすが中国ですね!)。

乾燥茶葉60%、ジャスミンの花40%の割合で用意し、20%ずつ分けて以下のように層状に配置します。この配置作業も1時間以内に終わらせないと香りが飛びますので時間との戦いです。

そして、5~7時間ほど密閉し放置します。

そしてその後、ジャスミンの花と茶葉を混ぜ合わせて均一にし、更にジャスミンの香りを茶葉に5~7時間ほど吸わせます。

摘んだばかりのジャスミンの花なので当然水分なども含んでいますが、それも茶葉に吸収されてしまいます。そのため、香りが移ったのを確認したらジャスミンの花を取り出し、再度茶葉を乾燥させ湿度を落とします。職人の忍耐と丁寧さが要求されます。

 

その過程を5回以上繰り返すので完成までに3週間ほど要します。最初の1回目はジャスミンじゃなくマグノリアを使うことでよりジャスミンの芳香を際立たせる場合もあるようです。

 

「骨に香りがあるお茶」

中国人のメーカーの方が言うには、手間暇をかけてゆっくりと香りが吸収された上質なお茶は、その芯にまで香りが入り込んでいるということで、「骨に香りがある」と言うそうです。

 

 

その他のセンテッドティー

茶葉のすぐ近くに香料を置いて放置し、香りが移るのを待つ方法も使用出来ます。ジャスミン精油はかなり香りが強いので、直接原液を茶葉に混ぜると1滴でもかなり強い香りがします。

茶葉の近くにジャスミン精油を置いておき、自然に香りが吸い込まれるのをしばらく待つというのが安全で香りが良いものを失敗せずに作れると思われます。

一度ベルガモット精油でアールグレイのセンテッドティーを作ろうとしましたが、3日程度だとほんの少し香るかな?という程度でした。

要研究です。

 

 

煙茶/ 烟茶

茶葉に芳香植物や樹木を燻した煙を当て、香りを付けたお茶のことです。

有名なものは紅茶の元祖とも呼ばれる、松葉で燻したラプサンスーチョン(正山小種/立山小種、Lapsang souchong)ですね。

これも、こだわりの高級紅茶店では本当に松葉で燻したものを販売していますが、中には「ラプサンスーチョン(のような)香料」で香り付けをしたものもあります。

 

続く

>>精油でお茶に香り付けするためには