• 妊娠中のアロマテラピー
  • お子様とアロマテラピー

 

 

妊娠中に注意すべき精油

主に通経作用、子宮収縮作用、堕胎作用、エストロゲン様作用などのホルモン様作用がある精油は避けた方が良いと言われています。

例えば、クラリーセージ、クローブ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、シナモン、スターアニス、セージ、ナツメグ、ニアウリ・シネオール
、パルマローザ、フェンネル、ペパーミント、マジョラム、レモングラスなどにそういった作用が存在しています。

「真正ラベンダーには通経作用があるので妊娠初期は使用しないこと」と聞いたことがある方は多いかと思いますが、真正ラベンダーは妊娠中にも使用できる精油の一つです。かつて真正ラベンダーは堕胎作用のあるカンファーを含むラバンジン精油と香りが似ている為に混同され、妊娠中は使用不可とされていた時期がありました。その名残ではないかと言われています。ピエールフランコム氏、ロバート・ティスランド氏を含む有名なアロマ研究家の方々は、妊娠中における真正ラベンダーの危険性を指摘していません。アロマテラピーの研究が進んでいくとこういった情報がより正確になっていくのですね。

実際アロマテラピーを通常の範囲で使用されている状況で、流産や早産、妊娠中毒症などの問題が出たという記録はおそらくないのでは、と言われています。私どもも複数のスクールでアロマテラピー講座を受講しましたが、どの講師も「精油の特性」のせいで流産や死産、早産を誘発した例はほぼないとおっしゃっていました。

「アロマテラピーが原因で流産した」と報告されているもののほとんどは、通常使用の範囲を超えて、望まない妊娠をされた女性が堕胎効果を狙って、あるいは自然療法は安全だと盲信されたことにより「10~20mL以上も大量に服用した」「大量に塗り込んだ」ケースがほとんどであり、それは「何かしらの濃い成分のものを体が許す範囲を超えて大量服用した結果に生命の危険が生じ、その結果として流産も起こった」ことが原因ですので、「その精油の効能によるもの」というのとは話が違うようです。

また、アロマテラピー研究家の中には「他人より詳しい注意喚起をし決まりを作ることによって、他人からより深くアロマテラピーに精通しているのだという印象を持たせ、専門家としての地位や権威を見せようとする」という方も残念ながらおられ、そういった方がとにかく危険性を強く押されたこともあり、妊婦にはアロマテラピーが危険と言われたのだと思います。

 

でも、妊婦さんは軽い芳香浴程度にしたほうが安心

妊娠中の体というのは、決して通常とは違い、免疫システムに関しても普段と違う反応をし、アレルギー物質も非常に増えやすい時期です。筆者や、筆者の知り合いの中には、それまでは花粉やエビに対して何の問題もなかったのに、妊娠中にアレルギーを発症したという人もいるので、「アレルギーを発症しないために、妊娠中は芳香浴以外は遠ざかったほうが良い」と思います。

精油の通常の範囲で流産などを誘発することはないとしても、妊娠中の方に余計な心配はやっぱりさせたくありませんし、アロマテラピーを実践されていた妊婦さんが何らかの理由により実際に流産や早産になったと時に、「やっぱりだめだったのかも、あの時アロマをしていなければ・・・」と後悔されるようなことがあってはならないとは思いますしね。「ノセボ効果」というものもあり、本当は何も問題がなかったとしても「体に悪い」と通説として出回っていることをしてしまうと気分や体調が悪くなったように感じることがありますから。

だから、基本的に妊婦さんは芳香浴程度のアロマテラピーにとどめておかれたほうが安心なのかなと思います。ですが、芳香浴でもアレルギーの発症はあり得ますので、そちらもやや控えめに。精油の使用方法記載の芳香浴の目安時間の半分くらいでご利用ください(1回5~10分で1日2回程度)。

 

 

子どもとアロマテラピー

子どもは大人と違い、肝臓や腎臓が十分に発達していませんので、大人と同じようにアロマテラピーの実践は出来ません。乳幼児ならなおさら控えねばなりません。

肌が荒れるかどうか、肝臓に負担があるかどうかをメインで判断されている方が多いように思いますが、アレルギーを発症するかどうか、というポイントでも考えていただければより安全かと思います。

精油でアレルギーを起こさないために

12歳以上:個人差もありますが、大人と同じような量で使用することが出来ますが、使用回数や濃度はやや薄めにしてあげてください。

7~11歳:すべての使用量や濃度、時間を大人の半分くらいにしてください。

3~6歳:大人の分量の5分の1以下からスタートしましょう。

3歳未満:使用を避けるのが無難です。



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